NEWS

GR8 FEST. AT OSAKA-JO HALL 10/11(日) ライブレポート

10/10(土)ライブレポートはこちら

 昨日の余韻が冷めやらぬ中、大阪城ホールに多くの観客が詰めかける。徹底した新型コロナウイルス感染症予防対策のもと開催される“GR8 FEST. AT OSAKA-JO HALL”の2日目。昨日に引き続き、トップバッターからトリまでそうそうたるメンツが並ぶこの日、開演前から会場は観客の高揚した気持ちで満たされていた。

 トップバッターは“MEGA VEGAS”を主催するFear, and Loathing in Las Vegas。5人が勢いよくステージに飛び出し、会場が手拍子で揺れる。So(Clean Vo./Scream Vo./Prog.)が客席を煽ってクラップは更に大きく鳴り響き、「覚悟しとけよお前ら!」という叫びを合図にライブがスタート。
 幕開けは「Rave-up Tonight」。オーディエンスが無数の腕を振り上げて興奮をあらわにし、Minami(Scream Vo./Rap./Key./Prog.)は側転したりステージの端まで行って客を煽ったりと大暴れ。「The Gong of Knockout」ではクラップ、ジャンプと、5人が鳴らす音を全身で浴びながら大狂乱。声は出せないが、会場の盛り上がりは相当なもの。
 続く「Power of Life and Death」ではSoとMinamiがヴォーカルのコントラストで魅せ、楽器陣の超絶なプレイで魅せる。激しいアッパーチューンにオーディエンスのテンションは最高点へ到達。
 この日の彼らは終始攻めっぱなし。「LLLD」「Crossover」という緩急で聴く者の心をぐらぐらと揺さぶり、半年ぶりにライブが出来ることの喜びを語ったSoが「みんなで一緒に乗り越えて行きましょう!」と「Party Boys」へ。聴けばテンションがぐんぐんと上昇するハイテンションナンバーを、観客は全身を揺らして楽しみ尽くす。
 そして「Twilight」でヘドバン、クラップを誘発し、最後は会場全体を踊らせた「Massive Core」。5人の魂がこもった気迫のステージは観る者の気持ちを揺さぶり、心地よい爆音のシャワーがオーディエンスの心を洗い流す。Soが「ありがとう! またみんな元気な顔を見せてくれよ!」と叫んで終演。最初から最後まで一切手を緩めない5人に、客席からは惜しみない拍手が贈られた。

Fear, and Loathing in Las Vegas

 綾小路翔(DRAGON VOICE/MC/G.)がアコギをかき鳴らしながらライブを始めた氣志團は、「房総魂」でエモーショナルかつ美しい情景を創り出す。西園寺瞳(G.)と星グランマニエ(G.)が鳴らすギターが観客の気持ちを高揚させ、白鳥松竹梅 (Ba.)と叶亜樹良(Dr.)、そしてドラムを手に持った早乙女光(DANCE/SCREAM)が繰り出す荘厳なリズムが身体を揺らす。
 「俺達には土曜日しかない」で会場中が“D・O・Y・O・U・B・I”のフリで大盛りあがり。「鉄のハート」では綾小路翔が「何はなくともこれさえあれば大丈夫!」と強いメッセージを歌い、聴く者の胸を熱くさせる。エンターテインメント性とメッセージ性がたくさん詰まった氣志團のステージに、観客は夢中になる。「声出せねぇかもしれねぇけど、必要以上にはしゃげねぇかもしれねぇけど、心配すんな。1人残らず俺たちが連れて行ってやるからな!」と綾小路翔が叫んで始めた「One Night Carnival」は、アッパーな歌とサウンドの多幸感で会場を包んでいく。
 綾小路翔が「最高の気分です! みんなありがとう!」と感謝の気持ちを告げ、早乙女光と“2001年に作った「One Night Carnival」はもう古い”という痴話喧嘩&ROTTENGRAFFTYへの嫉妬&半沢直樹オマージュの自虐的小芝居(笑)の後に披露したのは「One Night Carnival2020~金色カーニバル~」。数年前のROTTENGRAFFTYとの対バンがきっかけで生まれたという同曲は、氣志團の「One Night Carnival」にROTTENGRAFFTYの「金色グラフティー」テイストをふんだんに盛り込んだ高いクオリティのスペシャルバージョン。突然のサプライズにオーディエンスは歓喜し、飛び跳ねながら思う存分彼らのライブを楽しんでいる。
 そして「我ら思う、故に我ら在り」で魅了し、最後はフェスの素晴らしさを綴った「No Rain, No Rainbow」。音楽の素晴らしさとライブやフェスの魅力が満載で、氣志團の“全員を心から楽しませたい”という器の大きさと、熱くて強いハートに心が震える素晴らしいステージだった。

氣志團

 N∀OKI(Vo.)の「心で感じて、脳内でぶっとんでくれ!」という叫びの後、圧倒的な爆音を響かせたのは“ポルノ超特急”を主催するROTTENGRAFFTY。会場全体が飛び跳ねて5人が放つ音に歓喜した「PLAYBACK」でライブの幕を開ける。感情が否が応でも沸騰する「相殺微量サイレンス」でNOBUYA(Vo.)が「いろんな気持ちを背負ってこの会場に来たと思います。お前らは決して間違っていない!」と叫び、N∀OKIが「おい! ヘッドバンギングくらいできるやろ!」と煽って「THIS WORLD」へ。観客はソーシャルディスタンスを保ちながら、思う存分身体を揺らしてライブする。
 その興奮のまま「金色グラフティー」が始まったときには、観ているこっちは歌いたくなる気持ちを抑えるのに必死。そんな我々の気持ちを察してか、KAZUOMI(G./Programming.)が「心の中で歌え!」と叫ぶ。しばらく忘れていたフェスの狂騒の記憶、ライブハウスの熱い感覚が彼らのステージで刺激されまくる。N∀OKIが「感じろ! 腐ってる場合か!」と叫び、KAZUOMIが「心の中で叫べ!」と叫んだ「D.A.N.C.E.」で踊り狂う。一瞬たりとも興奮が途切れない。
 そして「8バンドだけじゃないぞ。多くのバンドの想いを背負ってここに立ってる。信じ続けなければ何も変わらない」とN∀OKIが言う。「上を向いて歩いていけば必ず変わっていく。だから君らの力が必要。やるぞ!」と「アイオイ」へ。熱い想いが詰まった言葉と、強い意志を感じる音が胸の奥に突き刺さる。
 最後は全員が飛び跳ねてライブを思う存分楽しんだ「ハレルヤ」。5人の想いが言葉と音のひとつひとつに込められた、濃度と密度の高いステージ。心の中で思い切り汗をかいた感覚がとても心地よかった。

ROTTENGRAFFTY

 “GR8 FEST. AT OSAKA-JO HALL”の2日目、トリを飾るのは大阪で“OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL”を主催するHEY-SMITH。6人が音を合わせて気合一閃、「Living In My Skin」でライブスタート。ギリギリまでビルドアップされたようなタイトなサウンドに、思わず身体と心が跳ねるオーディエンス。8ヶ月ぶりというHEY-SMITHのライブ、待ってましたとばかりに1曲目から会場のテンションは最高潮。
 たくさんのクラップが沸き起こった「Dandadan」で満(Sax.)がステージを駆け回り、「Radio」では客席から無数の拳が突き上げられる。猪狩秀平(G./Vo.)が「そういえばライブってこんな夢みたいな場所やった」と「I'm In Dream」へ。彼らが鳴らす音と言葉がすべて琴線に触れ、何度も何度も胸が熱くなる。そうそう、ライブはまるで夢のようなこんな場所だ。
 コロナ禍ではクソみたいな日々を過ごしていたという猪狩が「やっときたぜ! この時間がきた!」と吠えた「We Sing Our Song」で5人が感情をむき出しにし、YUJI(Ba./Vo.)が膝をついてベースを弾き、満が感情を振り乱して踊り狂う。「ぶっ飛ばしていくぜ! ついてこい!」と猪狩が叫び、その言葉通り「Let It Punk」「Don't Try So Hard」「Over」というキラーチューンを連射。エモーショナルなYUJIの歌で心を揺さぶられ、満・かなす(Tb.)・イイカワケン(Tp.)が鳴らすホーンが感情を引き上げ、Task-n(Dr.)のリズムが血を沸騰させる。
 「Fog And Clouds」の世界観にどっぷりと陶酔させ、今年出演するはずだったフェスで演ろうと思っていたという「Summer Breeze」、そして様々なフェスやライブハウスで幾度となく聴いてきた「Don't Worry My Friend」と続け、ライブはいよいよ佳境に入る。
 実はこのイベントへの出演をかなり悩んだという彼ら。猪狩がふと告白するかのように「野球や格闘技が人を感動させているのを見て、音楽はそこまで感動させられへんのかなって…音楽に対して少し疑ってしまっていた…」と心情を語る。「でも、音楽に対して心から謝りたいです。やっぱり音楽って最高や!」と笑顔を見せ、「Drug Free Japan」「Endless Sorrow」で残る力を振り絞った渾身のステージで本編を終了。アンコールでは猪狩が観客のマナーの良さにびっくりしつつ、「音楽シーンやロックシーンがいちばんルール守ってるよね」と笑い、サビの“Take me back my utopia”という歌詞に全員が想いを込めた「California」、そして最後は「Come Back My Dog」で暴れ尽くして大団円。

HEY-SMITH

 開演前と終演後にお願い事項のアナウンス、転換時の充分な換気、会場の至るところに用意された衛生対策。徹底した新型コロナウイルス感染症予防対策のもと開催された“GR8 FEST. AT OSAKA-JO HALL”はこれで終了。今年行けなかったフェスはとても多かったが、この2日間の出演者8組のライブを観ていると、来年の…来年かどうかは現時点では未だはっきりとは言えないが…次に開催されるフェスへの期待が大きく膨らんだ。未来の楽しみがたくさん増えた。そんな充実した2日間だった。

Text by JUNGLE LIFE 山中毅
Photo by Yukihide “JON…” Takimoto

10/10(土)ライブレポートはこちら

一覧へ戻る

本公演に関するお問い合わせはこちら

© GR8 FEST.実行委員会